はじめに SQLのクラスを教えるとき、最大の課題の一つが、生徒たちがそれまでに手続き型言語から身に付けたことを、一度「頭から追い出す(unlearn)」ことだ。私がそのとき採る一つの方法は、処理を「レコード単位」ではなく、集合という観点から考えるよう強調することである。 ――――J.セルコ SQLの考え方を習得するときに最大の障壁となるのが、私たちの多くが慣れ親しんだ手続き型言語の考え方(ソート、ループ、分岐、代入、等々)です。SQLの本質を理解するには、私たちの心に強固に貼り付いてしまった思考パターンを、一度ベリベリと引き剥がし、更地に戻してやる必要があります。それが、セルコが「unlearn」という言葉に込めたニュアンスです。セルコ自身、Fortranからプログラマとしてのキャリアを開始し、C、Algol、Pascalと手続き型言語を渡り歩いた後にSQLを身に付けた人物だけに、言葉に