東京電力の広瀬直己社長は8日、福島県の佐藤雄平知事と会談し、東電福島第一原発事故後、東電が作業員の拠点として借りているサッカー練習施設「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町、広野町)について、2018年をめどに福島県側に返還する考えを表明した。Jヴィレッジは、県出資の一般財団が所有している。 広瀬社長は知事との会談後、「(20年の)東京五輪開催は良い目標になる。その1~2年前には元の通りに使えるよう工程表をつくりたい」と記者団に語った。東電によると、作業員の新たな拠点をどこに設けるかは未定という。 Jヴィレッジは福島第一原発から約20キロ南にあり、原発事故以降、東電が有償で借り、現在は1日約3千人の作業員が、廃炉や汚染水対策に向かう際の着替えや被曝(ひばく)測定に使っている。地元や日本サッカー協会は東電に早期の原状復帰と返還を求めていた。(大月規義)