『機動戦士ガンダム』は放映当時、まったく人気がなかった。 本来スポンサーがターゲットにしているはずの小学生男子には、ほとんど知られていなかったのである。 また東京地方では土曜日の夕方に放映していたので、当時の小学生男子には視聴することが困難だったこともあるだろう。 俺はまさしくその小学生男子だったわけだが、土曜日の夕方といえば外で遊んでいるわけだ。まさか友達に「TVマンガ観るから帰るわ」とはいえない。 だから俺の『ガンダム』本放送視聴体験は、「雨の日」と「日暮れがはやくなった晩秋」以降に限られるのだった(笑)。 本放送も終わり、年末のクソ寒いなか、荏原町のプラモ屋をひやかしにいったら、奇妙な張り紙をみた。 ガンダムとシャアザク、発売決定、といった内容の張り紙である。 当時小学生男子の間では、アメリカのテレビドラマ『コンバット』の影響で、ちょっとしたミリタリーブームだった。 宇宙戦艦ヤマトと