運よく一つだけ空いていたソファ席に座り、 皮の下敷きに綴じられたおしゃれなメニュー帳を眺める。 コーヒーを飲むつもりで来たけれど、アルコールメニューに目移り。 ここは……、 うーん やっぱりビールかな。 そっと店員さんと目を合わせ、そっと手をあげて一杯を頼んだ。 はるばるベルギーからやってきた「シメイブルー」。 私はビールには目がないのだけれど、あくまで浅学で 海外のものはほとんど履修できていない。これもまた以て然り。 「脚、伸ばせるようにできますけど、どうします?」 ビールの配膳とともに訊いてくださったので、 それならばと、レッグレストを出していただいた。 改めて腰を下ろす。 あ゛ー… これすごい身体の身体という部分を、ソファが全力で受け止めてくれている。 ゆりかごってきっとこういうことなんだろうな。 ゆりかごならばもういっそ、このまま墓場まで運んで行っておくれ…… 注文したビールを一口