地震に豪雨、日本を立て続けに災害が襲っている。目を引くのは、地域や住む場所によって、災害による被害の程度が大きく異なることだ。当然のことと考えられるかもしれない。しかし、「国民は平等である」という建前で運営されている「国家」の内部で、大きな格差が生まれることを放っておいていいのか。 6月に発生した大阪北部地震は、こうした文脈のなかで「大阪という都市圏」について考える一つのキッカケとなった。何より目を向けるべきは、災害がこの街を襲う際に浮き彫りになるであろう「被害の不平等」だ。すなわち、均質な人々が集住する安心の空間・郊外と、インナーシティ(旧都市周辺部)との間の不平等である。 その不平等の向こう側に浮かび上がってくるのは、国家や自治体が「財政健全化」という大義名分のもとに、公共投資から撤退してきた事実だ。そして現在、大阪はさらにその動きを推し進めている。生活のあらゆる場面で人々に対して「金
![地震と豪雨から考える、大阪で進む「分断」と「衰退」(前川 真行) | 現代ビジネス | 講談社(1/4)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0d82194f0f28c2b3b150b47e2d4ff7ec0e8dd5e8/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F3%2F7%2F1200m%2Fimg_37dd484ea4c8356397dae2c808bbfc13423984.jpg)