オードリー・ヘップバーンの映画デビュー作『ローマの休日』は、恋よりも自分の責務に殉ずるという、女性の自立を描いた物語でした。 そして、このロマンチック・コメディーも第二次世界大戦後の女性の社会進出の象徴としての、オードリー・ヘップバーンが見事に表現されていると思います。 何せ、ボギー(ハンフリー・ボガード)とウィリアム・ホールデンの色男二人を夢中にさせてしまうのです。 それは、運転手の娘という使用人の娘(シンデレラ)がパリ(魔法)でエレガンスを身にまとい、王子様を夢中にさせる物語だと言えます。 ここで、鍵となるのは「シンデレラ物語」は王子を追いかける物語でしたが、これは王子に追いかけさせる物語になっているという点です。 つまりは、あくまで女性が主体と成っている点が、戦前のハリウッド恋愛物語にはない革命的な点だと思うのです。 そんな新しい女性像は、この映画で登場した「サブリナ・パンツ」(右写