執行の知らせを受けると、「ようやく彼は自由になれた」と家族たちは涙した。娘は「お父さん、愛してるよ」と天を仰いだ=米ユタ州ドレーパー、田中写す 【ドレーパー(米ユタ州)=田中光】米ユタ州で18日未明、14年ぶりに銃殺による死刑が執行された。米国で銃殺刑の選択肢が残るのは同州だけ。今回も本人の希望に基づくものだが、西部開拓時代を想起させる出来事に全米の注目が集まった。 米国で今も死刑制度を持つ州は35。いずれも薬物注射が主な手段だが、フロリダ州などいくつかの州では電気イスなどの選択肢も用意されている。ただ、選択肢に銃殺刑が残るのはユタ州だけだ。同州の選択制度は2004年に廃止され、その後は銃殺刑はなくなったが、廃止前に判決を受けた死刑囚には選ぶ権利が残されている。 殺人事件の公判中に逃走を試み、裁判所にいた弁護士を射殺した罪で、1985年に死刑判決を受けたロニー・ガードナー死刑囚(