数学におけるヘッセ行列(ヘッセ-ぎょうれつ、英: Hessian matrix)は、多変数スカラー値関数の二階偏導関数全体が作る正方行列である。実数値関数の極値判定に用いられる。ヘッセ行列は、ジェームス・ジョセフ・シルベスターが、ドイツの数学者ルートヴィヒ・オットー・ヘッセに由来して名づけた。 実数値関数 f(x1, x2, ..., xn) に全ての二階偏微分が存在するとき、変数 xi に関する偏微分作用素を ∇i = ∂/∂xi とおくと、f のヘッセ行列 H(f) は、(i, j)-成分 H(f)ij が各点 x = (x1, x2, ..., xn) において で与えられる行列、つまり である。上記の行列の行列式はヘッシアン (Hessian) と呼ばれる[1]。