「自殺サイト」という文字を目にしたとき、どんな言葉が頭によぎるだろう。 「怖い」「暗い」「近寄りたくない」――そんな思いがあっても無理はない。だが、いわゆる「自殺サイト」を運営する人々は、その気持ちを和らげたり解消する「憩いの場」を提供したいと考えている場合が多い。そしてそのサイトを訪れれば、互いに励まし合ったり、気分を落ち着けたりできる優しい光景があることに気づくはずだ。 その本質を知った東京大学大学院の末木 新氏は、「自殺 臨床心理学」というサイトの運営を始めた。そこには研究知識と臨床経験に基づいた、インターネットと自殺に関する質の高い情報が、わかりやすい言葉で掲載されている。 読者ターゲットは、死を考える人、相談された人、身近な人を亡くした人、そして「自殺サイトを誤解している人」(末木氏)だ。顔の見えるインターネット 第84回は、そんな末木氏に自殺サイトが持つ本当の効果について話を聞