現存する古今和歌集の写本としては最古で字体が最も美しいとされ、完本の三巻が国宝に指定されている「高野切(こうやぎれ)本古今和歌集」を、筑波大芸術学系の学生らが十八年かけて復元し、つくば市の同大総合交流会館で八〜十三日に一般公開する。 (小沢伸介) 高野切は十一世紀半ばに、当代きっての書の名手三人が分担して書き写した全二十巻。豊臣秀吉が切断して高野山の僧に与えたことが名前の由来で、以後、次々と分割されては茶の湯の掛け軸に使われるなど散逸し、千百首のうち三割足らずしか残っていない。
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