印刷 関連トピックス紫外線北極圏に出現したオゾン濃度の低いエリアの例 北極の上空で今春、南極のオゾンホールに匹敵する深刻なオゾン層の破壊が起きたことが、日米など9カ国の国際研究チームの調査でわかった。観測史上で初めて。北半球は緯度が高い地域にも人口が多く、本来はオゾン層で遮られる生物に有害な紫外線の増加が懸念される。英科学誌ネイチャー(電子版)に2日付で論文が掲載される。 研究チームは、測定機器を積んだ気球や人工衛星を使って観測した。その結果、北極圏の成層圏で4月上旬、もともとあったオゾンのうち最大で80%が失われた。南極ほど濃度は薄くなっていないが、北極はもとの濃度が高いため、破壊された量は南極のオゾンホールに匹敵した。 気象条件の違いから、北極は南極のような大規模なオゾンホールはできないと考えられていたが、研究に加わった国立環境研究所の中島英彰室長は「南極で観測されていたオゾンホ