微生物を利用した高度な排水処理で、水質が飛躍的に改善したとされる琵琶湖で、微生物でも分解できない「難分解性有機物」と呼ばれる謎の有機物が増加していることが15日、滋賀県の調査で分かった。琵琶湖では近年、茶褐色の泥状物質の報告も相次いでおり、関連があるとみられる。県は「現状では問題ない」としているが、科学的解明は進んでおらず、専門家は継続的な検査が必要と指摘している。 琵琶湖では、滋賀県が昭和40年代以降、全国に先駆けて微生物を使った高度な下水処理施設を導入。人口あたりの普及率(昨年3月末現在)は全国1位の84・3%で、水質汚染の原因となる窒素やリンの量は激減、水の透明度も向上した。 ところが、代表的な水質指標となる化学的酸素要求量(COD)の数値は逆に悪化。北湖では58年に1リットルあたり1・9ミリグラムだったが平成20年には2・7、南湖でも2・6から3・3ミリグラムと上昇した。CODは水