はじめに 事業仕分けにおいて、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が厳しい評価を受けた。国際宇宙ステーションへの補給機HTVの予算260億円は1割カット、「GXロケット」の開発費58億円は予算計上そのものが見送りと判断されるなど、その存在意義を根底から問われる状況となっている。 たしかにHTVの成功は、米国の1/17程度にすぎない低予算という条件を考慮すれば、一定の評価を与えられるべき業績だと思う。しかし、それだけでは国民は納得しない。宇宙基本法の理念になる「宇宙の開発から宇宙の開発利用」の、「利用」の部分にもっと力を入れ、産業競争力の強化により貢献する必要があるだろう。 日本のシェアは限りなく小さい そもそも、世界の商業ロケット打ち上げ市場における日本の存在感はどのようなものなのか。そこからみていきたい。 (1)衛星について 2004~8年の平均ベースで考えると世界の衛星開発実績は、年間90