1970年代の石油危機をきっかけに、当時の通商産業省が石油の配給制を実施する場合に備えて用意した「石油配給切符」72億枚が一度も使われないまま、30年間、首都圏の民間の倉庫に保管されていたことがわかった。 支払われた保管料の総額は少なくとも十数億円に上り、5年前に事業の見直しに向けて検討を始めた後も、年間約7400万〜約8700万円が支出されていた。来年度からはようやく保管が中止され、大量の切符も廃棄されることが決まったが、経済産業省は「中止が、政権交代と重なったのは偶然」としている。 石油配給切符は1979年、通産省資源エネルギー庁の「緊急時対策整備事業」に基づいて作製された。切符1枚の大きさは切手程度で、36枚が1シートになって、現在は8000万シート(段ボール箱2万箱分)が東京都中央区の民間倉庫に、1億2000万シート(同3万1000箱分)が神奈川県厚木市の民間倉庫にそれぞれ保管