妊婦が風疹に感染したことで胎児に障害が出る「先天性風疹症候群(CRS)」の報告数が昨年10月からの約半年で10人に上ったことが、国立感染症研究所のまとめで分かった。 大流行のあった2004年の1年間と同数だった。さらに増えることがないよう、同研究所はワクチン接種を呼びかけている。 妊婦が風疹にかかると、胎児も感染して白内障や難聴など目や耳、心臓に障害が残ることがあり、CRSと呼ばれる。同研究所によると、風疹患者は12年前半から増え始めたが、同年10月半ばに兵庫県の女児でCRSが報告された。その後、13年4月半ばまでほぼ毎月、大阪府や愛知県、東京都などで報告され、過去10年で最多の04年1年分に並んだ。同研究所の多屋馨子室長(小児感染症学)は「女性は妊娠前にワクチンを接種してほしい。(持病を持ち)接種できない女性もいるので、周囲の男性も接種を検討してほしい」と語る。