2013年11月4日にエスポワールシチーに騎乗しJBCスプリントを制覇したのが最後のGI制覇となった。 今でも競馬場に行くと、無意識にその姿を探してしまう。体を小さく畳んだ、ブレのない騎乗フォーム。ヘルメットを固定する白い顎紐が目立ち、馬群のどこにいても、すぐにわかった。受け入れなければいけないとは思っているのだが、コース上に彼がいないという喪失感は、やはり大きい。 今年2月27日、金曜日、後藤浩輝騎手が世を去った。40歳だった。 2012年のNHKマイルカップで落馬して、頸椎骨折、脊髄不全損傷などの重傷を負ってから休養と復帰を繰り返し、昨年11月に3度目の復帰を果たしたばかりだった。 後藤浩輝がもっともやりそうにないことだった。 亡くなる前週の土曜日にも中山競馬場で落馬して心配されたが、翌日曜日には京都競馬場で2勝を挙げていた。その後、栃木のリハビリ病院で、関節の可動域をひろげたり、体幹
![素晴らしい騎手であり、熱い男だった。後藤浩輝騎手との思い出をたどって。(島田明宏)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/ccf7bff6da7fc6f561079b37a06b570a1e0a46cf/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F7%2Fd%2F-%2Fimg_7d293884b3de17b78e0a39bd610045e5208103.jpg)