親の役目は「子供を一人前の大人にすること」だ。 社会に出てひとりでちゃんと生きていける人間にする。本当なら義務教育が終わるまでに。最悪でも大学卒業までに。 ただ、この「一人前の大人」という概念が時代とともに変遷してきている気がする。 昭和初期までは「人様の前に出して恥ずかしくない人間」が「一人前の大人」。 長幼の序を知り、礼儀をわきまえ、義理と人情を知り、人様に迷惑をかけることなく、地道に立派に生きていける人。「教育=モラル」だった。モラル優先の人間観。 昭和中期〜平成初期は「会社に就職すること」が「一人前の大人になること」だった。 これは日本の高度成長に伴って「いい大学入っていい会社に入ることがいい人生」という価値観が生まれた結果だろう。立派な人=社会的地位の高い人。学歴の低い人やアウトロー的に生きている人が蔑まされる社会。 だから親の役目は「子供にちゃんと勉強させて少しでもいい大学にい