私は身体障害と発達障害の両方を持っているが、身体障害者及びその周辺と発達障害者及びその周辺を比べた時、「障害の社会モデル」の考え方の浸透具合が全く違うことに驚かされる。 身体障害者やその周辺(支援者・介護者・行政・医療関係者など)では、「障害の社会モデル」は現時点で広く共有されている。当事者団体の中では「障害は社会の側にある」という考え方は常識であり、周辺の健常者も殆どがそれを受け入れている。従って、障害を個人の側に帰し、身体障害者本人の意に反してリハビリや治療等の「自助努力」を強制されるようなことは殆ど無いと言っていい。それよりもむしろ「うまく人の手を借りながら自分らしく自己決定していく」「依存先を増やすことで生活の安定を図る」ことの方が推奨されている。 それに対して発達障害の場合は、「障害の社会モデル」は驚くほど浸透していない。「発達障害者はまず甘えを捨て、医療機関による適切な治療・訓