6月9日(日本時間10日)、米国・ラスベガスのMGMグランドガーデンで、WBO世界ウェルター級タイトルマッチ、マニー・パッキャオ(フィリピン)vs.ティモシー・ブラッドリー(米国)戦が行われた。今年度最大級のビッグファイトと注目された対戦だったが、そこには会場に陣取ったファンも、リングサイドの記者たちも、そしておそらくは勝者の陣営ですら、誰もが仰天する結末が待っていた。 ■疑問の残る判定 パッキャオ7年ぶり黒星 パワーに勝る6階級制覇王者パッキャオが、序盤から的確にビッグパンチをヒット。手数は挑戦者で元スーパーライト級王者のブラッドリーがやや上でも、印象的な有効打の数で勝るフィリピンの英雄が試合を支配しているように見えた。 「効かされるようなパンチは一発ももらっていないと思う」 試合後にパッキャオが残した言葉は誇張には聞こえなかった。特に第4ラウンドにダメージを受けて以降のブラッドリー