朝起きて顔を洗うぼくはどこかつかれた顏をしている。 それは仕事の疲れからかもしれないし、昨日お酒を飲みすぎたからかもしれない。 ぼくにも正確な原因はわからない。ただ、ひとつだけ言えることは、身体のどこか疲れがとれていないということだ。 やれやれ ぼくはつぶやいた。 何かがいつもと違う、そんな気がした。 タオルで顔を拭き、食卓の椅子へ腰かける。椅子はいつものように軋む音をたてた。 ねえ、その椅子、そろそろ買い替えの時だとおもうの 彼女は言った。 そうだね。 僕はこの椅子が好きだけれど、そのとき彼女の意見を否定することはやめておいた。 たぶん、今はその時じゃない。 子供たちを焚きつけながらいそぐように朝食をとる。 こんなにバタバタするなら10分早く起きて食事をすればいいのに。 そうすれば、ゆっくり食べたっていいし、きみたちは残った時間を好きにすごせばいい。 子供たちにいつも言っている事だけれど