「誰に助けを求めればいいのか、分かりませんでした。それは自分の弱さだったのかもしれません」 亡くなった母親のそばで1か月以上にわたって生活をしていた男性はこうつぶやいた。高齢の親が死亡したあと、その死を届け出ないケースが今、各地で相次いでいる。 (ネットワーク報道部 記者 管野彰彦) 親が高齢となって、いずれ亡くなり、子どもが葬儀をあげて親を弔う。当たり前だと考えていたことが、実はそうではないのではないか。 そう思ったのは、自宅で親の遺体を放置したとして、同居する子どもが逮捕される事件が相次いだからだ。特に目立っているのが、高齢の親と中高年で無職の子どものケース。ことしに入ってから半年間にかぎっても、NHKの各放送局が放送した事件だけで約20件に上っている。 なぜ、一緒に住んでいながら、親の死を届け出ることも、葬儀をあげることもできなかったのか。