「ド、ド、ド、、、、ドリアン、くっさー!!」 毎年、年2回の収穫シーズン(初夏と年末)になると、シンガポールのシムズ・アベニューでは、ドリアンが道狭しと積み上げられる。 10年以上前に大学の卒業旅行で、一緒のアパートに住んでたお隣さんの中里君とマレーシアのクアラルンプールに行った時は、形に興味を抱いて買ったもののあまりの臭さに食べられなかった。そこでいかにもドリアン好きそうな現地のおじさんが”食べたろか?”という感じでドリアンを奪っていったが、私は全然おいしいと感じなかったので、奪われてもまったく悔しくなかった。 その後10年以上の月日を経て、シンガポールで再び道を埋め尽くすドリアンに遭遇したわけだが、人の味覚は変わるものである。ファンタのグレープ味好きの少年が、あれだけ飲めなかったビールをおいしいと感じるようになったのと同様、トゲトゲで激臭を放つドリアンが、ある日”臭くてネバネバした納豆