極めて大真面目な挑戦だと知って少なからず驚いた、というのが取材後の偽らざる感想だった。1886年創業の老舗百貨店が仮想空間で開催されたマーケットに出店し、アバター(自分の分身キャラ)向けのファッションを販売。将来は、独自に仮想世界のプラットフォームを構築し、リアル店舗にも負けない事業に育てあげようという意気込みを感じたからだ。 伊勢丹は、4月29日~5月10日に開催された仮想空間のイベント「バーチャルマーケット4」に初出展した。三越伊勢丹ホールディングスの仲田朝彦氏(チーフオフィサー室 関連事業推進部 プランニングスタッフ)は、「VR空間の仮想店舗は、現在のリアルな百貨店が抱える課題を解決してくれる」と力説する。 十数年前に、VR空間での生活体験を売りにする「Second Life」(セカンドライフ)が大手広告代理店主導のプロモーションで大きな話題になった。結局こちらは広告代理店の撤退で、