イタリアは2月から新型コロナウイルスの感染が急拡大し、患者が病院の受け入れ能力を超えるような「医療崩壊」が起き、死亡者が急増する危機的な状況に追い込まれた。同国はEUに医療防護具などの支援を求めたが、「EUのどの国も応じなかった」とイタリア出身のマッサーリEU大使は言った。フォンデアライエン委員長は全面的に非を認め、公の場でイタリアに謝罪した。 当時はEU各国でも感染が広がり始め、イタリアを支援する余裕がなかったのは確かだ。ドイツやフランスはマスクなど医療防護具の禁輸措置を取るなど、自国民の保護を最優先していた。 実際、スウェーデンのヘルスケア会社、メンリッケがフランス経由でイタリアとスペインの医療従事者にマスクの供給をしようとしたところ、フランス政府から輸出を禁じられ、マスクを押収されたという。同社はフランス政府を非難している。その後、問題は解決したが、フランスとスイスの間でも同様の問題