安倍晋三首相は19日午前、首相官邸で岸田文雄外相と会い、韓国・釜山の日本総領事館前に慰安婦を象徴する「少女像」が設置された問題の対応を協議した。一時帰国させている長嶺安政・駐韓大使らの帰任については今週内は見送る方針を確認した。日本政府関係者が明らかにした。 関係者によると、首相と岸田氏は「韓国側の姿勢に変化はなく、日本側から先に動く必然性はない」という意見で一致した。日本政府は、韓国政府が釜山の少女像の撤去に向けた対応をとらないのは、2015年末の慰安婦問題に関する日韓合意の精神に反しているとの立場。韓国の地方議員が竹島(韓国名・独島〈トクト〉)に少女像を設置するための募金運動を始めたことなどもあり、対処方針を慎重に検討する考えだ。