2001年9月11日、いつも通り午前5時頃に起床。ニューヨークでのテロ第一報は、ネットのニュースサイトの速報で知った。とんでもないことが起きたということは漠然とわかっていても、頭は日常から非日常へとそう簡単に切り替わらない。この日は、朝7時半からクパティーノ市のホテルでクライアント企業との朝食ミーティングがあって、それが終ったらサンフランシスコ空港に妻を迎えにいく予定だった。食い入るようにテレビを見ながらも、早くシャワーを浴びて、ジャックの散歩をして、クパティーノのホテルに時間通りに行かなくちゃと思った。 予定通り、7時半にクライアントと会った。テロから約2時間後のことだ。当然テロの話になる。誰もが食堂のテレビに釘付けになっていた。僕が、事の重大さに気づいたのはこの頃だったのかもしれない。それできっとしばらく呆然としていたのだろう。 「梅田さん、今日の仕事の打ち合わせは中止にしよう」 突然