NHKの福地茂雄会長は4日の定例記者会見で、インターネットへのテレビ番組配信にNHKが本格的に乗り出す方針を明らかにした。すでに片山善博総務相らに放送法の改正を求めているという。番組をテレビ放送と同時にネットにも流すことを視野に検討している。 福地会長はネットへの番組配信は公共放送の役割という考えを示し、「そのためには放送法改正が必要。準備を今から進めないと(2012年度にはじまる)次の経営計画はつくれない」と述べた。 放送法でNHKは、無線による放送が業務の核とされている。放送済みの番組をネットに配信する有料サービス「NHKオンデマンド」は、放送ではなく通信にあたるとしてNHK本体とは別会計で行っている。 福地会長は「放送とか通信とか、コップの中だけで競争している時代ではない。視聴者に合わせた放送のあり方、番組のあり方があるのではないか」と強調した。(丸山玄則)