「サブプライムローン問題」という言葉は、いまやいささか陳腐になった。が、私は、ここらで総括をしておかなければならないと考えている。それは、サブプライムローンをアメリカの『戦略』と捉えると、ちょうど今がそれが成就したときと考えられるからである。 「サブプライムローン問題」という表現はいたるところで見聞きしてきた。マスコミは、いうまでもなく、株主総会でも決まり文句のように使われた。私の娘の大学入学式でも、先生方の挨拶に「サブプライムローン問題」とか、その象徴である「リーマンショック」とかという言葉がちりばめられていた。 そしていわゆる文化人は、「基軸通貨ドルの終焉」とか「資本主義の終焉」とか「アメリカの終わりの始まり」とか、したり顔で結論づけるのが常であった。挙句の果てに、このときとばかり「アジア共通通貨を!」などと言い出す「宇宙人」まで出現した。たしかに、アメリカ嫌いが多い文化人は、日頃それ