筑波大計算科学研究センターのグループは9日、スーパーコンピューター「京」を利用し、銀河形成に関わるとされる暗黒物質(ダークマター)粒子約2兆個が、初期の宇宙空間でどう動くかを見るシミュレーションに成功したと発表した。2兆個もの粒子を使ったシミュレーションは世界初という。 グループの石山智明研究員によると、京の計算能力の約98%を使って実現。暗黒物質は宇宙を満たし銀河を生み出したとされるが、正体は明らかになっていない。シミュレーションでは、約2兆個の粒子が相互に働く重力によって集まり、構造物ができる過程を示した。重力による構造物の成長を見ることで暗黒物質の性質や宇宙誕生の解明につながるという。 研究成果は米国のゴードン・ベル賞の最終選考に残っており、結果は11月中旬に発表される。