沢尻エリカのスキャンダラスな話題はテレビ的にはもうオリンピックでかき消されている、という感じでしょうか? 観ているあいだの2時間半は、途中で幾度も挿入される「なんか映像美らしきモノを追求しているのでしょうか、これは」というシーンが苦痛とも言える間延びした時間感覚を提供しており「長い! タルい!」と叫びたいぐらいでしたが、少し時間が経つと、それほど悪い映画ではなく、酒飲み話を提供してくれる映画としてすごく優秀な問題作だったのでは、と思いました。上野耕路によるスコアはショスタコーヴィチの交響曲第8番やヴァイオリン協奏曲第1番、ラヴェルのピアノ協奏曲の第2楽章をモチーフにした曲(というかほとんどパクっているもの)が印象的でしたけれども、劇中では2曲、そうしたニセモノではないクラシックが使用されていて(戸川純『蛹化の女』を含めれば3曲)、ニセモノとニセモノではないモノの対比が気になってしまい、そこ