不況、格差、貧困、犯罪、環境……。景気悪化を受けて、社会の諸問題が弾けるように現れる中、この夏、衆院選が行われます。 日本の進路決定を前に、問題を自分の頭で考え直してみようとするとき、私がまず直面するのは思考ツールの不足です。専門家の意見を参照して、と思っても、どこにその見識があるのか、そもそもその専門家を信じていい理由がどこにあるのか、かえって悩みは深まり、結局「なんとなく・・・」の感情論に流されてしまいそう。 そんなときに新聞広告で見て、たまたま手に取った『経済成長って何で必要なんだろう?』(光文社)。読みやすさと面白さもさることながら、さまざまな知を生活にもっと身近に展開していこう、という目的意識、そして「経済」の視点で社会問題に座標軸を与えようという発想に「やられた、こういうのがやりたかったんだ」と嬉しいやら悔しいやら。さっそく、編集した芹沢一也さんと荻上チキさんにお話を伺いに行き