2010年は電子書籍元年と言われる中、以前と比べて文字と画面表示の関係について色んな所で議論されるようになった。iPhoneやiPadと次々に新しいデバイスが発売され、画面上で奇麗に表示されるフォントの存在は欠かせない。折りしも、お馴染みのヒラギノにUDフォントシリーズが追加されたのも今年の出来事である。そのヒラギノUDについて今回運良く、大日本スクリーンの三橋洋一氏、字游工房の鳥海修氏、ヨコカクの岡澤慶秀氏、SHOTYPEの岡野邦彦氏に直接お話を聞かせて頂くことが出来た。 どのような経緯でヒラギノUD開発に至ったのですか? 三橋氏 (以下敬称略): ヒラギノの新書体の企画を練っていた2007年の後半頃、UD (Universal Desgin) を冠した他社のフォントが世の中で徐々に使われ始めていました。でも、そもそも基本書体と呼ばれるカテゴリーの書体は、読みやすいように考えて作られてい