全世界を網羅する、世界最高精度の3D地図が完成した――4月末にそんなニュースが舞い込んだ。 2014年からNTTデータと一般財団法人リモート・センシング技術センター(RESTEC)が取り組んできたプロジェクト。JAXAの陸域観測技術衛星「だいち(ALOS)」が遺した約300万枚の衛星画像から高精細なデジタル3D地図を作成する。その対象エリアに南極や諸島地域も加え、ついに地球上の全陸地を網羅したという。 世界最高精度とは? その社会的意義とは? NTTデータ 第一公共事業本部 e-コミュニティ事業部 第三開発担当 課長の筒井健博士に聞いた。 人工衛星「だいち」が遺したもの だいちは、JAXAが2006年に打ち上げた陸域観測技術衛星だ。太陽電池パドルの片翼を持ち、3つの地形観測センサーを搭載。高度700kmもの高さからでも民家や列車などを識別可能で、地球観測・災害把握・資源探査など、幅広い分野