今日のエッセイはナフナンさんで「はちみつさまさま」です。 ----------------------------- 「はちみつさまさま」 いつも元気いっぱいの娘が風邪を引いてがらがら声になってしまったことをきっかけにして、私は冷蔵庫の奥に押しやられていたつややかな黄金色のはちみつを手に取った。昔母が風邪を引くたびにつくってくれた甘酸っぱいレモンはちみつを思い出したのだ。 レモンをぎゅーっときつく絞ったあと、マグカップにはちみつをたっぷり入れて、お湯を注ぎ、スプーンでくるくるかき混ぜてみる。少しずつ一口一口すする娘の表情が、やんわりと緩んでいく。 「おいしい。おかわり、ほしいな」 いくぶんすっきりした声でお願いされるがままに、私はついでに自分の分と合わせて二杯つくった。ふうふう冷ましながらゆっくり飲めば、みるみる心もほっこり和らいでいく。 それからというもの、娘はすっかりとろーりあまいはち
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