私は自分が嫌だった。心底嫌になった。 それは私の不注意であったし、ある意味で不運なだけだった。 私が気が付けば回避できた問題だったかもしれないが、私ではない誰が担当になっていても、それに気が付くことはなかっただろう。 誰にもわからないような書類の不備を、たまたま私が引き受けてしまい、それを私が見逃して、それが大きな被害を生み出した。 もちろん書類を作成した男性社員の不手際もあるけれど、その書類を最終承認してしまった私が、最終責任者として責任を取らされる。 最終チェックとは名ばかりで、実際のところはコンピュータ入力と盲判。もはや書類が複雑すぎて担当者しか内容を把握できないのだから、回ってきた書類を信じるしかない。ただ慣例としてコンピュータ入力の後に、私たちのチームが承認印を押しているだけだ。 しかし、その承認印は「不備なし」と私が確認した証拠とされている。確かにそのための承認印だ。 確かに、