サバイバル宗教論 (文春新書) 作者: 佐藤優出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2014/02/20メディア: 新書この商品を含むブログ (13件) を見る 内容(「BOOK」データベースより) 目に見える政治や経済の動きを追うだけでは、世界は分からない。民族や国家の原動力となり、実際に世界を動かしているのは、しばしば目に見えない宗教だ。宗教を知ることは単なる教養のためではない。今後の世界を生き抜くために必須の智慧だ。禅宗寺院の最高峰、京都・相国寺で行った特別講義の全4回テキスト! 佐藤優さんが、京都の相国寺という禅宗のお寺で行った特別講義を新書にまとめたものです。 書店でみかけたときには、講義の口調で書かれているし、けっこう読みやすいのではないかな、と気軽に手にとったのですが、読み始めてみると、かなり密度が濃い本で、話題も多彩で、スラスラ読む、というわけにはいきませんでした。 これ、
July 02, 2014 授業と『神は妄想である』第三章翻訳チェック 水曜午前の授業は前回からドーキンスの『神は妄想である』の議論の検討。「神仮説」と「介入する神仮説」と「善なる神仮説」の違いはドーキンスも意識しているはずなのだが、同じ文脈で行ったり来たりするので読んでいて混乱する。 午後の演習はグッディングがファラデーの研究ノートでの実験の流れを図にしましたという論文。分析自体は納得できるところが多いが、丸とか四角とか三角とか使った図にしてわかりやすくなったかというと疑問、というのが学生さんからのリアクション。 ところで『神は妄想である』の第三章を翻訳を見比べながら読んでいていくつか気になるところがあったのでメモしておく。手元にある邦訳は2007年の初版なのでもしかしたらもう訂正が入っている部分もあるかもしれない。 原書101ページ、翻訳118ページ 「もし神が全知であれば、その全能を
キッチンで起きるマジックの根本原理を、誰でも分かるように噛み砕いたエッセイ。章末には嬉しいレシピのおまけつきで、試したくなる。 ふだん料理をする人は、食材や調理道具の背景にある科学をどこまで理解しているだろうか。「おばあちゃんの知恵」だったり、レシピ本の受け売りばかりで、「なぜそうなのか」を説明できない場合が多いのではないか……といより、わたしがまさにそう。本書は、「ふだん料理をする人」が、料理の素朴な疑問に対し、科学の視点から答えている。 たとえば、パスタを茹でるとき塩を加える本当の理由は?なぜ「塩する」と長持ちするのか?「冷凍焼け」とは?アルコールを飛ばしても残っているのでは?炭火とガス火の違いは?圧力鍋の原理は?電子レンジの原理は?食品照射は"安全"か?などなど(全ての疑問は、一巻目次と二巻目次に載っている)。 わたしの場合、料理漫画やウロ覚え知識で、「炭火とガス火」と「圧力鍋の原理
古代中国の文章・文物・歴史・研究について。とりあえず漢文(古典漢語)や漢字について徒然なるままに、また学会覚書、購書記録なども記していきます。 一時期、仏教漢文を読むのにはまったことがあった(笑 きっかけは、1993年だったかに中国に留学していたとき、たまたま買って読んだ『六祖壇経』(原文と注のみ)を読んで、その面白さにハマったからだ。 というか、つくづく変人だな、自分は。。。 帰国後に、中川孝『六祖壇経』たちばな出版、1995年を買い求めて、原文で読めなかったところを確認したりしてた(笑) そんなこともあり、仏教漢文を読めるようになりたい、なんて漠然と思っていた。それに、魏晋南北朝期に出始めた口語や特殊な虚詞の理解には、漢訳仏典の文法・知識・用例が有用だといくつかの本を読んで知ってはいたから。 運良く、下記の本が発売されたので、すぐに買い求めて読んだ。 伊藤丈『仏教漢文入門』大蔵出版社
明日のスゴ本オフは「嘘と虚構」がテーマ(なんとタイムリーな!)。嘘を嘘と見抜けないと難しいのは、ネットに限らない。中の人が信じるあまり、演じる自覚が無くなってしまい、ただの詐欺やペテンを超えて、ニュースを受け取る「外の人」を巻き込んでいるのが新しい。スゴ本オフに先立ち、わたしが選ぶ「嘘と虚構」の本をご紹介。 まず小説。小説は全てフィクションなので「あらゆる小説」が俎上に上る。そこから一歩歪めてメタ視線から小説を捉えなおすと、「小説が語る嘘」が見えてくる。ボルヘスは架空の書物がすでに存在すると見せかけて、要約や注釈を差し出せとアドバイスする。スタニスワフ・レムは具体化して、存在しない本の書評集『完全な真空』、そして存在しない作品の序文集『虚数』を著す。 なにしろ架空の本だから、何だって創造(想像)できてしまう。そもそも小説として成立しなくても、その書評という形態なら示すことができる。例えば『
『インディペンデンス・デイ』を覚えているだろうか。宇宙人が攻めてきて、人類とガチバトルする映画だ。主要都市を一斉攻撃することで、人類にケンカ売りつける。都市機能を破壊する目的もあるが、てっとり早く世界を怒らせるなら、エルサレムを焼き払うだけで済む。映画でそんなシーンはなかった(はずだ)が、あまりにタブーすぎるからだろうか。 『100分de名著 旧約聖書』の最初のページは、このエルサレム旧市街。嘆きの壁、聖墳墓協会、岩のドームと、人類にとって最も柔らかい部分がひしめき合う。いがみ合ってきた人々が、一致団結することがあるならば、ここを攻撃する存在に対してだろう。そして、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の要となっているのがエルサレムなら、『旧約聖書』は三宗教のルーツになる。 NHKテレビ「100分de名著」シリーズは、25分×4回に分けて名著を読み解こうという試み。漱石『こころ』とかフロム『愛す
目次へ|第二章へ―> エビデンスにもとづくカウンセリング効果の研究―クライアントにとって何が最も役に立つのか 作者: M.クーパー,Mick Cooper,清水幹夫,福田玖美,末武康弘,田代千夏,村里忠之,高野嘉之出版社/メーカー: 岩崎学術出版社発売日: 2012/01/30メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 1回この商品を含むブログを見る エビデンスベイスド (Evidence Based)カウンセリングとは、言葉の通り、治療効果に関する実証的な根拠に基づくカウンセリング、心理療法の実践のことだ。本書はカウンセリングと心理療法のエビデンスの膨大なレビューである。 効果の無い治療を延々と続けることは、時間的にも金銭的にもクライエントに不利益をもたらす。説明責任といった観点からも、治療効果が実証的に示されている方法を用いてクライエントを援助することが望ましい。 もちろん、実際の
May 15, 2014 『神は妄想である』書評(昔書いたもの) (リクエストがあったので、かつて『日経サイエンス』に掲載したドーキンス『神は妄想である』書評の長いバージョンを以下に再掲します。途中[ ] でくくってあるところは字数制限のため掲載バージョンではカットした部分です。初出:『日経サイエンス』2007年9月号、110ページ) 神は妄想である―宗教との決別 [単行本]リチャード・ドーキンス早川書房2007-05-25 神について聞かれた科学者の多くは「神がいるかどうかは科学の扱う領域ではない」と答えるだろう。実際、宗教との軋轢をさけるにはうまい答え方だ。しかし本当に神は科学で扱えない問題なのだろうか。 本書でリチャード・ドーキンスはあえて一歩を踏み出し、科学的な仮説としての「神仮説」を検討する。この宇宙の事実についての主張である以上、神仮説からも 予測できることがいろいろある。そ
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