岩井:震災の時、僕はロスにいて、たまたまスタッフと電話していたら、「大きな地震が来た」と電話越しに言われて、すぐテレビをつけて。向こうでNHKをやっているんですけど、すぐヘリコプターからの映像になって、程なくして津波が押し寄せてくる映像を見た記憶があるんですけど。そこに若林というテロップが出ていて。僕はまだ幼稚園に入る前でしたけど、そこのエリアに住んでいたことがあって。そこの町に津波が押し寄せていくのを見た衝撃が大きかったと思います。 地震よりもはるかに津波の被害がいまだに尾を引いていて。いずれ、何らかの形で表現しなきゃいけないかもしれない大きな課題のひとつとして、自分のふるさとを襲った津波というのが残っている気がします。 もうひとつ、福島第一原発事故に関しては、今もそうですけど、科学の進歩みたいなものに対して、人類はあまり抑制的ではなくて、ほとんどの場合、不用意にわれわれの生活に入ってき