速水健朗新刊(ソフトバンク新書)。おもしろかったです! 前作「タイアップの歌謡史」はやや趣味性のつよい題材でしたが、今回はより一般的、また誰もが興味を示すであろう旬な話題を取り上げ、タイトルや帯の扇情的な雰囲気もやる気じゅうぶん。本全体が、売れる感に満ちあふれている。来たな、とおもった。中田英寿の引退メッセージを引用したイントロダクションから、「自分探し」というキーワードが様々に展開していく構成にもぐっときました。 とはいえ、わたしはこの本を気軽に読める気がしなかった。「いるよねー、探しちゃってる人」と、のんびり嘲笑できる立場にはないような感じがしたのである。たとえばポジティブ・シンキングについて。速水はポジティブ・シンキングと自己啓発の関係性を指摘しているが、このあたりはちょっとどきっとしました。なぜならわたしは、ふだんから「良いことしか言わない」「ポジティブなこと以外はいっさい口にしな
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