米国のアカデミー賞を目前に控えた2月16日、日本の賞レースの最後を締めくくる第31回日本アカデミー賞の最優秀賞が発表された。日本映画界の活性化のために1978年に創設された同賞、かつては故・黒澤明監督と映画「影武者」の俳優・スタッフに辞退されるなど権威の面で軽く見られていたのだけど、技術部門を備えているほか映画関係者によって選ばれること、授賞式が中継されることなどで近年は注目度が高まっているのだ。 その日本アカデミー賞で以前から問題視されていたのが、大手映画会社の製作・配給作品が有利になるという点。実際に賞を選考する日本アカデミー賞協会は東映、東宝、松竹、角川映画が多数を占めており、その他の映画会社が手がけた作品は圧倒的な不利をこうむっているとされていた。 しかし、昨年の第30回授賞式では、インディペンデント系であるシネカノン製作・配給の「フラガール」が最優秀作品賞を受賞。これによって、同