2007年4月9日、カタールの首都ドーハで開催された「ガス輸出国フォーラム」の第6回閣僚会議は日米欧のエネルギー関係者を大いにやきもきさせた。というのも、石油市場を牛耳るOPEC(石油輸出国機構)と同様の巨大なカルテルが天然ガスに対しても形成され、「ガス版OPEC」が誕生するのではないかとの懸念が強まっていたためだ。 結論から言うと、今回、ガス版OPECは生まれなかった。ロシアのフリステンコ・産業エネルギー相など同会議の参加者からも否定的な発言が相次ぐなど、少なくとも当面は、現状の市場が維持される見通しとなった。 それでは、日米欧など天然ガス輸入国の“危機”は去ったのだろうか? 実は、必ずしも安心していられる状態ではない。ガス版OPEC構想が取りざたされるようになった背景には、天然ガス価格などに対する、ロシアをはじめとするガス産出国側の強い不満があるからだ。 今年1月28日、イランの最高指