法定接種となっているBCGの予防接種の風景。ヒブワクチンは日本でも夏ごろ導入予定だが、任意接種で費用は4回で約3万円もかかる=熊本市北保健福祉センター 熊本市の4歳男児が1月中旬、同市内の病院で急死した。原因は、Hib(ヒブ)と呼ばれる細菌による感染症だった。世界では予防ワクチンの定期接種が“常識”となっているのに、先進国では日本だけが導入しておらず、ようやく今年夏ごろ国内で発売予定となる直前の出来事だった。そのことを後で耳にした男児の父親(39)は「ワクチンがあれば、息子は死ななくて済んだのか」と言葉を失った。 一月十三日の日曜日、男児は家族四人でショッピングセンターなどに出掛けた。夕方まで「静かにせんか」と怒鳴られるほど元気だった。しかし帰りの車内で少しきつそうな様子で、父親は「風邪かな」と思った。 帰宅後、せき込み方などに異変を感じ、熊本地域医療センターに駆け込んだのは午後九時前