今でもふと頭をよぎる衝撃的な「食体験」がある。あれは一体なんだったのか。なんとも腑に落ちない。 いや、カレーライスをすくい上げるスプーンが止まらなかったわけだから、ある意味でそれは胃の腑に勢いよく落ちていったのだろうけれど。しかし後にも先にもこんなことはない。大げさな言い回しをすればカレーライスが「強襲」してきたというくらいの鮮烈さだった。 いくら頬張っても味覚が散らかることもなく、ストレートがガードをことごとくすり抜けて顎をもっていくような一方的な展開だった。誰か訳を説明してほしい。思い出すたびにモヤモヤしていた。 そのカレーを食べたのは去年9月。作ったのは20代の「軽度知的障がい者」で構成されたグループの友人たちである。 ボランティアに参加する意味が分からなくなっていく 軽度知的障がい者のグループのボランティアを手伝わないかと知り合いから声がかかり、それがきっかけで関わることになった。