コミュニケーション 2018.04.03 敬愛する先生は「自分は誰かとつながりたい、人間に対する優しい感情を失いたくない」と書いた。小説「いねむり先生」 その人が 眠っているところを見かけたら どうか やさしくしてほしい その人は ボクらの大切な先生だから そんなエピローグで始まる伊集院静の長編小説「いねむり先生」。 ノンフィクションではないが、主人公は妻で女優の夏目雅子を白血病で亡くして失意に暮れていた頃の著者自身である。そんな心身ともに荒んでしまっていた主人公が出会った「先生」との交流をベースに書かれた自伝的な小説というスタイルをとっている。 「先生」の名前は色川武大。直木賞をはじめいくつかの文学賞を受賞した純文学の小説家であり、同時に阿佐田哲也のペンネームで大衆文学「麻雀放浪記」を書いて世に広く知られた雀士である。 そんな作家にしてギャンブルの神様と過ごした温かい日々が綴られている。