英国・北アイルランドのロックアーンで開かれた主要8カ国(G8)首脳会議(サミット)の経済討議では、久しぶりに日本が主役となった。 議長を務めるキャメロン英首相は「日本の経済政策を話してほしい」と安倍晋三首相を指名して発言を求め、イタリアのレッタ首相は「良きお手本として参考にしたい」、カナダのハーパー首相は「積極的な経済政策の成功を祈る」と評価した。 これに対し、ドイツのメルケル首相は「出口戦略をどうするつもりなのか」「通貨安競争に陥る危険もある」と批判的だったという。アベノミクスに対して、各国とドイツとのスタンスがなぜ異なるのだろうか。 まず、出口戦略については、メルケル首相の勘違いだろう。米国が量的緩和を始めたのが、約4年半前の2008年11月。だから米国では出口について議論されているのだが、日本で始まったのは2カ月前。量的緩和の効果が出るのが早くても2年後。1年程度の準備を考える