岸田文雄外相は11日午前の記者会見で、内戦が続くシリアの反体制派に直接支援を行う方針を表明した。保健など人道分野での支援が中心となる。日本政府は反体制派をシリア国民の代表として認めているが、直接支援を行うのは初めて。安倍晋三首相が17〜18日に英国で開かれる主要国(G8)首脳会議で、こうした考えを表明する方針。 岸田外相は「シリア政府や国際機関の支援の手が及ばない地域への支援を行う」と述べた。医薬品や医療用テントなどの供与を想しているが、ニーズがあれば保健分野以外でも人道支援を行う方針。 国連によると、シリア国外に流出した難民は160万人以上で、国内避難民は425万人以上。日本政府はこれまで、シリアの難民対策として国際機関や非政府組織(NGO)と連携し、約8千万ドルの人道支援を実施してきた。