大手格付け機関による中国の格下げが相次いでいる。4月9日にフィッチが中国国債の信用格付けを「AAマイナス」から1段階引き下げて「Aプラス」にしたのに続き、4月16日にはムーディーズが中国国債の格付け見通しを「ポジティブ(強含み)」から「安定的」に引き下げた。 IMFによると、中国の公的債務のGDP比率は昨年末で22%にすぎない。日本の236%、米国の107%という財政状況に比べ、格段に健全であるはずの中国の国債が、なぜ格下げされたのか? じつは中国政府が公表する公的債務には、地方政府の債務は含まれていない(日本や米国は地方自治体分も含めて公表)。だが、中国の地方政府は借金まみれなのだ。 中国は共産主義体制のため、地方政府が独自に債券を発行したり銀行融資を受けることは禁止されている。 しかし、抜け道もある。 「地方政府が資金調達のための特別会社を設立し、その特別会社から資金を借りる仕組みが全