■人格を破壊する“カラオケリスク” 「歌わないの? 遠慮しないで。ハウンド・ドッグの『ff』とかどう」 誰かれかまわず部下をカラオケに誘って、こんな命令をしていませんか? もし、していたら大変危険ですので、やめてください。 忘年会などで一杯飲んで職場の人間とパーッとひと騒ぎ。まま、それはいいでしょう。しかし、心療内科で多くのウツとウツもどきの若い患者たちのカウンセリングをしている私に言わせれば、カラオケは人格を破壊してしまうリスクをはらみます。 「私、カラオケ、苦手なんです」ときっぱり宣言できればいいですが、職場の関係から曖昧な態度しかとれず、しつこく「歌え歌え」と迫られると、そこにいるのさえしんどくなる。 実は、カラオケボックスの狭い個室ではみな無意識に演技をしています。必死にノリのよさを演じるのです。大音量と輝く光の助けも借りて、明るく、ポジティブなキャラを貫き通す。いい年を