ロシアのメドベージェフ大統領は21日、リビア情勢について記者団に対し「文明の対立を引き起こす『十字軍』というような表現は許されず、容認できない」と述べ、名指しは避けながらも、欧米で構成する多国籍軍のリビア攻撃を「中世の十字軍を思い起こさせる」と非難したプーチン首相の発言を批判した。 大統領が「双頭体制」を組む政権の実力者プーチン首相を公然と批判したのは極めて異例。1年後の次期大統領選にどちらが出馬するかをめぐって水面下のせめぎ合いを続けてきた両者の対立が表面化する可能性もある。 大統領は、リビアへの武力行使を容認した国連安全保障理事会決議はカダフィ政権による反体制派への武力弾圧をやめさせるためのもので「間違っているとは思わない」と強調。 その上で「十字軍」などの表現を使えば「状況は今より悪化する。そのことを皆が理解すべきだ」と述べ、首相発言に強い不快感を示した。(共同)