私の通勤電車には、小学校の横を通る場所があって、窓から体育館横のプールが見える。 今年も梅雨入り前あたりから、そこで水泳の授業がはじまった。 私はいつも、吊革にぶらさがりながら、それを凝視するでもなく凝視している。 そうしてつぶさに観察していると、小学生女子の身体が、えもいわれぬ不思議な魅力をもつように思えてくる。 プールサイドに立つ小学生の姿を遠く眺めると、ゆるやかな曲線を描くシルエットが、しなやかに波打つように見える。 その線の微妙さは、小学生の、さらにある時期にしかもちえないものだ。 中高生のように、皮膚の下の柔らかい肉が、重力にしたがって変形して身体を形作っているのではない。 しかし、骨格のうえに皮がはり付いただけの、石のような身体とは全く違う。 紺色の水着の下には、薄い層をなした脂肪が、机に落ちた一滴のミルクのような繊細さで漲っている。 それは触れば手に溶け出してくるが、しかし形
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