「一枚岩ではない現場が部門の垣根を取り払って連携する」──。この課題を達成するためには、様々な“道具”が必要になる。キリングループの顔である事業会社キリンビールは現在進行中の中期計画で、組織に横串を入れるためのプログラムをいくつか立ち上げることにした。 前回に続き、独自の現場第一主義を掲げて全国の工場や事業所を回る、キリンビール社長の三宅占二氏に話を聞いた。 (聞き手は、日経ビジネス オンライン編集長 廣松 隆志) 三宅 腹に落ちないまま方針を大きく変えると、やっぱり間違えるんです。昔のラガーを生にするとかね。何で生にするのかって最後まで腑に落ちないで、そっちにかじを切ったり何かすると、ああいうふうにお客様が離れていく。腹に落ちていれば「なぜ?」とご指摘を受けた時にお客様に自信を持って言えますが、そうでないと自信を持って言えなくなる。 ── 「とにかくやれ。会社の方針でこう決まったから」と